ネフィリム超吸血幻想譚
街の人々は、吸血鬼の存在を物語だと思っている。
だが、確実に街にはそれが存在していた。
吸血鬼たちは、それなりに犠牲者を仲間にしない方法で人間を狩り、自分たちの餌を減らさないよう、考えている。
吸血鬼には、それぞれに能力の差が歴然とあり、だから彼らの間には無用な諍いはッ生じない。もし、逆らえば弱い吸血鬼は一瞬で殺されてしまうからだ。
ランドルフという男には妻があり、彼はまじめな生活を営む人間だったが、ある日帰宅した家の中で変貌した妻の姿を見る。
「カーミラ」という、そこはかとない残忍で力のある吸血鬼が妻を完全に支配し、たった四歳になったばかりの娘はむごいやり方で惨殺されていた。
復讐を誓ったランドルフは、人知れず編成されていたコンソーシアムという、対吸血鬼の組織で辣腕をふるうようになる。
ヨブはまた、強力な吸血鬼のひとりであったが、ミカという少女に出会って彼女から心を癒される。血を吸わないでといわれて、それを実行してみようかとすら思うヨブ。だが、人間対吸血鬼の戦いのさなか、さらに強大な敵が存在していた……。
小林先生の描かれる世界は、独特だ。
この世界も、そこらの吸血鬼たちの様子とはもう、わけが違う。
残酷だ。
とにかく、やられる人間も、吸血鬼も、ずたずたになるほど残忍な目に遭う。
そして、独特の機械と肉体が混在する不思議な世界……。
「J」という、吸血鬼でも人間でもない、どちらにとってもさらに冷酷なこの敵が、さらに世の中を混沌に巻き込んでしまう。
「J」は金髪碧眼で美しく、その裸体を晒したまま暴れ回る。
誰と戦っても、どこふくかぜで、敵に塩を送ってまで戦いを愉しもうとする。
無力なばかりだとなめられている人間に、勝ち目などほとんどない。
それでも、ランドルフは戦うのだ。
ページを開いたそのときから、息もつかせない戦いの連続で、そのままラストまで突っ走り、ああ、と息を吐いた時にはやっと物語は終わる。
で、「ミカ」という少女はなにものだったのかな~という素朴な疑問が残ったまま、物語は終わる。
これ、続きがあるのかしら?
あってほしい気もする。
ヨブという、心を持った吸血鬼が、血を吸わないままでミカとこの先どうなるのか、それを知りたいと思う。
かなり描写は残酷なので、あまりそういうのが苦手な人にはきついかも。
でも、ホラー大好きな人なら、絶対にオススメ!!
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